上映作品紹介

コンペティション部門

『この島に嵐は眠る』

(71分)

時は古代。アントニオとアロンゾーの陰謀により王座を奪われ、幼い娘と共に流刑になったプロスペロー。ある日本の南の島に流れ着くが、この島は、人間嫌いの魔物シコラックスによって支配されていた。ある日、プロスペローはシコラックスによって大木の中に閉じ込められていた精霊エアリエルを救い出す。このエアリエルの力を操り、プロスペローはシコラックスを倒し、魔力を持つ杖を手に入れることに成功。彼は島の支配者となり、エアリエルの勾玉の首飾りを保持することによってエアリエルの自由を奪い、シコラックスの息子キャリバンを奴隷にする。
十年後、アントニオとアロンゾーが船に乗って航海に出ることを知ったプロスペローは、彼らの船を転覆させ自分の島に流れ着くように企てる。そして流れ着いた彼らに幻覚を見せ、復讐を始める。アロンゾーは罪悪感に浸るが、アントニオはプロスペローの存在を危険だと感じ、暗殺を試みるが失敗。アントニオは命を落とし、彼に手を貸したとして、キャリバンはプロスペローから罰を受けるが、アロンゾーが救い出す。プロスペローを命の恩人であると認識しながらも、自身の自由が奪われている状況を呪い、苦しむエアリエル。一方、プロスペローの娘ミランダは、身の回りで起こる全てのことを目にしながら、自分はどうするべきか静かに考えていた…。
シェイクスピア『テンペスト』の舞台を日本古代に設定。セリフを全て排除し、映像と音と音楽のみで綴るダークファンタジーの世界。

監督 小川深彩
脚本 小川深彩
出演 神崎英敏 岸本尚泰 安和朝彦 松尾拓 犬養憲子 山庄乃の葉 小川深彩
制作年/制作国/時間 2025年
監督プロフィール
2001年アメリカ合衆国に生まれる。6歳より数々のミュージカル、演劇、ダンス、歌の舞台に出演。2012年に東京に移住後は、舞台の他にもTV、映画、またモデルとしても活動するようになる。2015年に沖縄に移住。映画やTVの出演機会が増えるにつれ、2016年より映像クリエイターとしての活動を開始。17歳の時、沖縄テレビ「琉球トラウマナイトリアルストーリー2019」の5作品の1つ『ホテル』でTVドラマ監督デビュー。2020年第14回田辺・弁慶映画祭において『偽神』がキネマイスター賞を受賞。2021年9月に田辺・弁慶映画祭セレクションとして、テアトル新宿とシネ・リーブル梅田にて『偽神』『二階のあの子』『はじめの夏』の3作品を公開上映。田辺・弁慶映画祭での受賞をきっかけに、本格的に映画制作の勉強をすることを決意し、2021年4月に日本大学芸術学部映画学科監督コースに入学。在学中、自主映画2本『この島に嵐は眠る』『塵つもる道に幽燈は灯る(現在編集作業中))を撮影。文化庁委託事業「ndjc:若手監督育成プロジェクト」や「京都フィルムメーカーズラボ・ハンズオン時代劇」ワークショップメンバーにも選出される。2025年3月同大学卒業。映画制作を行いながら、2022年より演劇活動も再開。2024年には劇団The Ad Libitum Playersを立ち上げ、舞台演出、作品への出演も精力的におこなっている。2025年4月より日本大学大学院舞台芸術専攻に進学。映画と演劇の二刀流を目指し活動している。