上映作品紹介

コンペティション部門

『イマジナリーライン』

(90分)

映画学校を卒業してまもない山本文子(中島侑香)は、アルバイトをしながら映画づくりに情熱をそそいでいた。音楽好きの友人モハメド夢(LEIYA)を出演者として映画を撮り、ときにたわいもない話に興じる日々はかけがえのないものだった。
文子は一年前に母を亡くし、喪失感をかかえていた。だが夢の提案で母の遺灰を海にまくことを決め、ともに母の故郷・鎌倉へと向かう。しかし、旅路で思いもよらない悲劇が。
夢が–県境をこえた–。
ただそれだけの理由で警官にとらえられ、入管施設へ収容されることに。日本でうまれ育ちながらも在留資格をもたない夢には、自由な移動すらみとめられていなかったのだ。
文子は夢の収容に自責の念をいだきながらも、入管制度と向きあうことを決意。やがて夢が解放される可能性をみつける。しかし、冷酷な制度の壁がふたりの希望をいとも簡単に打ち砕いてしまう。
出口の見えない暗闇のなか、ふたりを待ちうける運命とは–。

監督 坂本憲翔
脚本 坂本憲翔 峰岸由依 横尾千智
出演 中島侑香 Yuka Nakashima LEIYA LEIYA 丹野武蔵 Musashi Tanno 早織 Saori 松山テサ Tesa Matsuyama 鈴木晋介 Shinsuke Suzuki 諏訪敦彦 Nobuhiro Suwa 生津徹 Tooru Kizu Obueza Elizabeth Aruoriwo
制作年/制作国/時間 2024年
監督プロフィール
1998年生まれ、兵庫県出身。神戸市外国語大学在学中より、国際関係学を学びながら自主映画制作を開始。2022年に東京藝術大学大学院 映像研究科映画専攻監督領域に進学し、映画監督の黒沢清、諏訪敦彦、塩田明彦各氏に師事。東京藝大在学時に監督した短編映画『窓辺のふたり』が東京国際映画祭 Amazon Prime Videoテイクワン賞にノミネート。初長編『イマジナリーライン』は第21回 大阪アジアン映画祭 インディ・フォーラム部門にノミネート。