第9回(2015)
開催日・開催場所
平成27 年11 月6日(金)~8日(日) 紀南文化会館(和歌山県田辺市新屋敷町1番地)
当日来場者数
3,787人
第9回田辺・弁慶映画祭
招待作品
『海街diary』
●2015 年/日本/126 分
●監督:是枝裕和
●出演:綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず ほか
●配給:東宝、ギャガ
『鉄道員(ぽっぽや)』
●1999 年/日本/112 分
●監督:降旗康男
●出演:高倉健、小林稔侍、大竹しのぶ、広末涼子 ほか
●配給:東映
『それいけ!アンパンマン ミージャと魔法のランプ/(同時上映)リズムで歌おう!アンパンマン夏まつり』
●2015 年/日本/合計67 分
●監督:矢野博之/日巻裕二
●声の出演:戸田恵子、中尾隆聖、大島優子、ナイツ ほか
●配給:東京テアトル
『グッド・ストライプス』
●2015 年/日本/119 分
●監督:岨手由貴子
●出演:菊池亜希子、中島歩、 臼田あさ美、井端珠里、相楽樹 ほか
●配給:ファントム・フィルム
『百円の恋』
●2014 年/日本/113 分
●監督:武正晴
●出演:安藤サクラ、新井浩文、稲川実代子 ほか
●配給:SPOTTED PRODUCTINS
『ひまわりと子犬の7日間』
●2013 年/日本/117 分
●監督:平松恵美子
●出演:堺雅人、中谷美紀、でんでん、若林正恭、吉行和子 ほか
●配給:松竹
『紙の月』
●2014 年/日本/126 分
●監督:吉田大八
●出演:宮沢りえ、池松壮亮、田辺誠一、大島優子 ほか
●配給:松竹
特別上映作品
『たまご』
●2015 年/日本/77 分
●監督:平野功二
●出演: 露詰茉悠、山下晃彦、手塚日南人、手塚奨之、嶋村有里子、硲ミヒャエル、濱口昌加
『海難1890 (ナビゲート映像)』
●2015 年/日本・トルコ合作/ナビゲート映像21 分
●監督:田中光敏
●出演: 内野聖陽、ケナン・エジェ、忽那汐里、アリジャン・ユジェソン ほか
応援作品
『轟音』
●2015 年/日本/80 分
●監督:笠原栄理
●出演:古久保健、エリザベス・クローク、龍神村の皆さん
第9回田辺・弁慶映画祭 コンペティション部門入選作品
作品名 | 監督 |
「モラトリアム・カットアップ」 | 柴野 太朗 監督 |
「サーチン・フォー・マイ・フューチャー」 | 松本 卓也 監督 |
「INNOCENT 15」 | 甲斐 博和 監督 |
「ぼくらのさいご」 | 石橋 夕帆 監督 |
「雨時々晴れ」 | 李 允石 監督 |
「ASO-eternal grassland-」 | 岩永 洋 |
「CAMEO’n Me」 | 宗 俊宏 監督 |
「密かな吐息」 | 村田 唯 監督 |
特別審査員
映画有識者で構成。弁慶グランプリを決定。計4 名。
掛尾良夫 氏(城西国際大学メディア学部教授、キネマ旬報社顧問)※特別審査員長
三木 聡 氏(放送作家、映画監督)
演出・脚本作品…「時効警察」(2006)、「熱海の捜査官」(2010)など 監督・脚本作品…「インスタント沼」(2009)、「俺俺」(2013)など
山下 慧 氏(映画評論家)
沢村 敏 氏(東京テアトル株式会社 映像事業部 映画興行部番組編成)
第8回田辺・弁慶映画祭 受賞作品
作品名 | 監督 | |
弁慶グランプリ | 「モラトリアム・カットアップ」 | 柴野 太朗 監督 |
市民賞 | 「サーチン・フォー・マイ・フューチャー」 | 松本 卓也 監督 |
映検審査員賞 | 「INNOCENT 15」 | 甲斐 博和 監督 |
映画.com賞 | 「ぼくらのさいご」 | 石橋 夕帆 監督 |
男優賞 | 「サーチン・フォー・マイ・フューチャー」 | 松本 卓也 さん |
女優賞 | 「サーチン・フォー・マイ・フューチャー」 | 山本 真由美 さん |
コンペティション部門受賞監督コメント
映画.com賞
『ぼくらのさい』
●2015 年/日本/33 分
●監督:石橋夕帆
●出演:堀春菜、笠松将、斉藤結女、川瀬成美、志茂星哉、東龍之介、平野龍一、古島裕大、石本径代、中野健治、鈴木博之、小林伸行
【受賞コメント】
映画で初めて賞をいただきましたので一生忘れないと思います。
ありがとうございます
【講評】
中学三年生の多感な思春期の少年少女たちが夏という刹那的な季節の中で揺れ動く男女
の微妙な心情を描いていたと思います。
また、監督の視点の面白さが出ていて各登場人物のカメラの捉え方が、独自の視点を持っ
ていて、またシンプルなストーリーながら監督の世界観で描こうとして、これから活躍さ
れるであろう若い役者さん達をうまく演出されていました。
その独自の視点をのばしていただいて、これからの日本の映画業界を担う監督になって欲
しいと思います。
市民賞
『サーチン・フォー・マイ・フューチャー』
●2015 年/日本/97 分
●監督:松本卓也
●出演:松本卓也、山本真由美、桜まゆみ、倉田奈純、後藤龍馬、森恵美、佐久間としひこ、近藤奈保妃、福吉寿雄、田原イサヲ、一之瀬友美
【受賞コメント】
こんにちは、松本です。いわゆる観客賞という事で、本当に嬉しいです。
上映日が2日目の土曜日という事で、入場者の数が初日の金曜日よりも多いんじゃないかという部分もあり、その辺の運があってこの賞をいただけたかなと思います。
市長!ぜひこの作品を観てください!!ありがとうございました!
映検審査員賞
『IIIINNOCENT 15』
●2015 年/日本/90 分
●監督:甲斐博和
●出演:萩原利久、小川紗良、山本剛史、本多章一、宮地真緒、信國輝彦、木村知貴、影山樹生弥、中村圭太郎
【受賞コメント】
甲斐博和と申します。本日はお足元の悪い中お越しいただきましてありがとうございます。3年前にこの映画祭で、「また帰ってきたいです」と言って、やっと3年かけてこの場に立つ事が叶ったのですごく嬉しいです。映画に詳しい映検審査員の方に認められたのは、やっと僕が映画を作れるようになってきたのかなと感じます。まだまだ、未熟者ではありますがこれから頑張りますので『グッド・ストライプス』(岨手由貴子監督)のように商業作品で帰ってきたいと思います。
皆様応援よろしくお願いします。
【講評】
今年も19名の映画マニアの映画審査員が集まり、8作品を全て観て、大いに語って、
毎晩監督・スタッフ・俳優の皆さんとお酒を飲んで、作品のこと、映画のこと、たくさ
ん話が出来ました。
選考は毎年のことながら大激論になりまして、2時間以上かかりました。どの作品にも
ファンがついていましたが、少しずつ絞りこんでいき、最後の決戦は投票となりました。
各作品、監督、俳優の方にも映検審査員のファンがついていますので、これからもどう
ぞ皆様頑張ってください。
男優賞・女優賞
男優賞 : 松本卓也
出演…「サーチン・フォー・マイ・フューチャー」
【受賞コメント】
どうも俳優の松本です。三木さんから賞をいただきまして本当に嬉しいです。
僕自身7分の1の確率で自分の作品に出演しているのですが、2年前に入選した作品は自分が出演している作品でした。それで去年も出したのですが落ちました。これは私が出ていない作品でした。そして今回、2年前から7作品目に当たる、自分が出演した作品を応募したら通りました。
役は、自称役者のただのフリーターという演技力のいらない役でしたが、山本真由美さんやスタッフ、皆さんから何かパワーを頂いて、神輿に乗せて頂いただけです。素晴らしい役者さんが多かったのですが…頂いちゃいました!ヤッター!!ありがとうございました。
女優賞 : 山本真由美
出演…「サーチン・フォー・マイ・フューチャー」
【受賞コメント】
本当にありがとうございます。人生でこういう賞をいただいたのも初めてで、作品を引っ
提げて映画祭に来たのも初めてで…
どの作品も本当に素晴らしくて、女優さんも素晴らしい方がたくさんいたので、まさか私
がこの賞を頂けるとは思ってもみませんでした。
これからももっと続けていく希望をもらえましたので、頑張っていこうと思います。
【講評】
松本さんってある種のお笑いの運動神経でお芝居をされているが、何気なくやっているように見えている所が彼なりのテクニックがあって、またその才能もあると思います。私が
面白いと感じたのは笑いとしての運動神経を使いきった後のちょっとした隙間に見せる表情が印象に残りました。つまり意識ではなく無意識のところで何を考えているかが芝居の
なかで表に出てきた、その時の魅力が今回の評価に繋がりました。
女優賞ですが、今回はいろんなタイプの演技をする女優さんが多くて、客観的な芝居か、主観的な芝居かをどう評価するのか一つのテーマでした。客観的というのは、自分の演技・感情がどういう状況におかれているのか、自分で客観的に評価をしながら芝居をするバイプレーヤーが使う手法ですが、山本さんはそれにおいて素晴らしいと感じました。対して、小川紗良さん、堀春菜さんは、自分が本当にそういう状況におかれているかのような、主観的な芝居において優れていましたので、そこで判断が分かれました。
弁慶映画祭の中でも客観的な演技の達者な方が少なく、なかなか評価もされにくいのですが、今回は僅差ではありましたが山本さんに決定しました
弁慶グランプリ
『モラトリアム・カットアップ』
●2015 年/日本/38 分
●監督:柴野太朗
●出演:守利郁弥、大石晟雄 、竹林佑介、小林哲也、杉山つかさ、豊嶋梨那、樋口アイリ、安部直美、安部敬太、尾中正樹、中嶋莞爾
【受賞コメント】
モラトリアム・カットアップの監督をしました柴野と申します。
この度は本当にありがとうございます。このような賞をいただき、まったく予想もしていなかったので足が震えています。この作品をご覧いただいた方は分かるかもしれませんが、こういうコメディタッチの作品は受け入れられず評価されない事が多かったのでグランプリをいただけるのは夢のようです。
出演いただいたキャスト、スタッフのみなさん、ご来場いただいたみなさんに深く御礼申し上げます。
【総評】
今年は充実した映画祭でした。応募144作品から審査をおこない15作品にまずは絞られ、そこから8作品まで選んだのですが、選ばれなかった作品も非常に優れたものが多かったです。また今年は女優さんが素晴らしい作品が多く、松本さんには悪いですが男優賞を無くして女優賞を2人用意出来無いかと思うくらい、応援したくなる女優さんが多かったです。
柴野監督については、デジタルの時代にあえて、ああいう世界を描いたという事は逆に今のデジタル時代を鋭く描いているということと、若さで伸び代もあるだろうと期待を込めて選びました。
今年はものすごく充実した作品が多く素晴らしい映画祭になったと思います。
来年は10周年という事でさらに期待したいと思います。